カピバラA 食用 or ペット? |
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2020年10月15日 皆様、KVC Tokyo 院長 藤野 健です。 前回に引き続き、カピバラに関するトピックスを、まったりと採り上げようと思います。 以下、本コラム作成の為の参考サイト:テンジクネズミ科https://en.wikipedia.org/wiki/Caviidaehttps://ja.wikipedia.org/wiki/カピバラhttps://en.wikipedia.org/wiki/Capybarahttps://ja.wikipedia.org/wiki/ハンバーグ国内のハンバーグに関して、過去にはどの様な素材が使われていたのかついて全く触れられていません・・・。業界関係者が執筆し、マズい話を消し去ろうとしている可能性があるでしょう。 |
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カピバラは食用なのか? 以前には法的整備も整わなかったのか、各種獣肉ミンチを混ぜたハンバーグが堂々と売られていましたが、三、四十年前にオオネズミの肉が混ぜられているのが問題だと幾らか話題に上ったことを院長は記憶しています。巨大なラット様のネズミの肉が混ぜられ喰わされているのかと腹を立てた者も居た模様ですが、これはカピバラの肉のことだったのではないかと考えられます。牛豚などの肉の増量用途に南米から大量に輸入されていたのかもしれませんね。当時の通産省或いは農林省の貿易統計記録を探れば「大ネズミ、XXトン輸入」などと記録されているかもしれません。 ラットをそのまま大きくしたような姿形のアフリカオニネズでも 1.0−1.5kg程度に留まりますので、容易に手に入るにしても、丸焼きで食す以外には肉部分を得るのに手間ばかりで効率が良くないでしょう。一方、中国で食用とされるタケネズミはもう少し食べる部分も有りそうに見えますが、当時中国から日本にタケネズミの肉を輸入していたことはあり得なさそうに見えます。 カピバラの方はボディサイズが兎に角大きくなり、院長も「現物」に接したことがありますがブタを思わせるほどに肥大しますので、得られる肉量も多く、また草食性ですので基本的に肉味に大きなクセもなかろうと想像されます。youtube でコロンビアの市場で米国人男性がカビパラの料理を試し喰いする動画が見付かったのですが、いかにもマズそうに食べていました。単に現地料理の味付けが口に合わなかっただけの様にも見えますが、狩猟後に血抜きをしっかりと行い、新鮮な内に調理し、香辛料で工夫を加えればそこそこイケるのではないかと思います。 安価な増量用食肉としては、他には例えばオーストラリアのアカカンガルーなども挙げられますが、以前院長の娘が現地からの土産としてカンガルー肉のジャーキーを持ち帰り、食してみましたが、強烈な胡椒の味ばかりで食べてられませんでした。肉味にクセが有り、或いは面白みに欠け、香辛料漬けで加工したのかも知れません。牛豚に比べれば下肉扱いですね。ドッグフードなどには利用されているのかもしれません。 少し前のコラムで、モンゴル平原で地元民が大型の掘削性齧歯類であるマーモットを狩猟しペストに感染したと記しましたが、これも肉を食べたのでしょう。カピバラと同系の味だろうと想像します。まぁ、南米では確かにカピバラが食用として市場で売られている訳です。因みに中南米では小さい方の仲間のモルモットはご馳走扱いですね。 院長も前回のコラムでカピバラが可愛いと言ったり今回喰えると言ったりで結構いい加減かも?・・・。 |
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ペットとしてのカピバラ 齧歯類ですのでつべこべ言わずに?数も増えて呉れ、本邦各地の動物園等で多数飼育されています。本邦でも特に制限も無く個人で飼育可能ですが、飼育元から脱走した個体が神奈川県下の河川に住み着いて捕獲作戦を繰り広げたことが少し前にニュースにもなりました。泳ぎも得意で、また地上でも疾走時には<脱兎の如く>に相当のスピードが出ますので生け捕りするのはなかなか大変になります。 基本的に非常に大人しく、また人に馴れる動物ですが、これはカピバラが野生状態では100頭に達するまでの集団で生活し社会性を持つことにも関係しているでしょうね。互いの立ち位置が理解出来る訳です。尤も、齧歯類ゆえ上下2本ずつの鋭い切歯(門歯)を備えており、ちょっかいを掛けて怒らせた場合、噛み付かれて大怪我を負う可能性はゼロとは言えません。前に youtube 動画で見たことがありますが、野生のビーバーが突然撮影者に接近し襲い掛かり、噂ではその後に大腿動脈を食い破られ死亡したとの話が流れました。野生動物含め動物を舐めてはいけません。 |
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安全性が相当に高いとしても、ボディサイズを考えると飼育場所の管理と餌代、清掃等の作業負担も大変でしょう。脱走すると警察にこってり油を絞られそうでもありますね! 米国の富裕層は個人で牧場を所有し、週末にそこに出掛けて家族で遊ぶことも普通ですが、馬に加え南米の家畜ラクダであるラマを飼育するのも流行しています。しかしカピバラを富裕層が一般的に飼育しているとは聞いたことがありません。飼育用のプール(冬場は加温する)や泥浴び場を整えて維持する等が負担なのでは、と院長は想像しています。米国では個人宅で飼育している例も散見される様ですが、巨大サイズになることを覚悟の上飼育する必要があります。アダルトになると屋外でハーネスを付けて散歩させようにも人間の方が引きずられてしまうでしょう。まぁ、牧場を抱え維持し得るだけの財力或いは意欲は無いが、そこそこの経済的余裕が有る、面白ろ好きや目立ちたがり屋には向いているのかもしれませんね。 動物公園などでカピバラと触れ合えるところが国の内外にありますが、取り敢えず!はその手のところに出掛けて実地検分すると良さそうです。 因みに、サイズが小さい方のモルモットを飼育することは米国の子供達の間で極く一般的です。 |
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次回からぼちぼち動物学としての本題に入りましょう。院長もカピバラの動画を見ている内に、ペストのコラム執筆の疲れもだいぶ癒えてきましたので。 |
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