Ken's Veterinary Clinic Tokyo

相談専門 動物クリニック

                               

























本コラム作成の為の参考サイト:

https://ja.wikipedia.org/wiki/ネズミ


https://en.wikipedia.org/wiki/Dipodidae









https://en.wikipedia.org/wiki/Caviidae

https://ja.wikipedia.org/wiki/テンジクネズミ科


https://ja.wikipedia.org/wiki/カピバラ

https://en.wikipedia.org/wiki/Capybara


https://en.wikipedia.org/wiki/Hydrochoerus

https://en.wikipedia.org/wiki/Lesser_capybara







https://ja.wikipedia.org/wiki/爬虫類

https://en.wikipedia.org/wiki/Reptile



https://ja.wikipedia.org/wiki/有鱗目_(爬虫類)

https://en.wikipedia.org/wiki/Squamata


https://ja.wikipedia.org/wiki/ムカシトカゲ目

https://en.wikipedia.org/wiki/Rhynchocephalia


https://ja.wikipedia.org/wiki/カメ

https://en.wikipedia.org/wiki/Turtle


https://ja.wikipedia.org/wiki/ワニ

https://en.wikipedia.org/wiki/Crocodilia



https://ja.wikipedia.org/wiki/恐竜

https://en.wikipedia.org/wiki/Dinosaur







https://ja.wikipedia.org/wiki/コモドオオトカゲ

https://en.wikipedia.org/wiki/Komodo_dragon


https://ja.wikipedia.org/wiki/ミズオオトカゲ

https://en.wikipedia.org/wiki/Asian_water_monitor


https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤモリ科

https://en.wikipedia.org/wiki/Gekkonidae


https://ja.wikipedia.org/wiki/アオジタトカゲ属

https://en.wikipedia.org/wiki/Blue-tongued_skink









 院長のコラム 2020年12月25日 

 ロコモーションの話 ー トカゲの地上ロコモーション









ロコモーションの話 ー トカゲの地上ロコモーション




2020年12月25日

 皆様、KVC Tokyo 院長 藤野 健です。

 カピバラと他の水棲齧歯類との運動特性の比較をこれまで行ってきました。最終的にビーバーの尻尾の扁平化の持つ機能的意義について考察しようと思いますが、その前に途中追加的にロコモーション関連の話をまた〜りと採り上げます。その第6回目です。運動性に関することですので、youtube からの動画資料を多くお借りしての解説です。<動>物ゆえ、動物を本質的に理解する為には文章や静止画のみでは矢張り限界がありますね。

 爬虫類についてのお話の2回目です。



以下本コラム作成の為の参考サイト:


https://ja.wikipedia.org/wiki/爬虫類

https://en.wikipedia.org/wiki/Reptile


https://ja.wikipedia.org/wiki/有鱗目_(爬虫類)

https://en.wikipedia.org/wiki/Squamata


https://ja.wikipedia.org/wiki/コモドオオトカゲ

https://en.wikipedia.org/wiki/Komodo_dragon


https://ja.wikipedia.org/wiki/ミズオオトカゲ

https://en.wikipedia.org/wiki/Asian_water_monitor


https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤモリ科

https://en.wikipedia.org/wiki/Gekkonidae


https://ja.wikipedia.org/wiki/アオジタトカゲ属

https://en.wikipedia.org/wiki/Blue-tongued_skink







Largest Lizard on Earth | The Komodo Dragon | Deadly 60 | Indonesia | Series 3 | BBC

2014/02/14 BBC Earth

Steve Backshall travels to Indonesia in search of reptiles to add to

his list of 60 deadly predators. He and his crew have a nerve-racking

close encounter with three metre long Komodo dragons, the world's

largest venomous lizards!

https://youtu.be/28FzV5OHqMU


コモドドラゴンはオオトカゲの仲間に属しますが全トカゲ類の中の最大種です。

身体を左右にくねらせて体幹の側方に突き出した四肢のストライド長さを稼が

せる様な歩き方を示します。進行方向に直角方向の体幹の動きが有り、前方

推進には非効率的で、エレガントな歩容とならず速度を稼ぐには不利です。

舌の動きを見ても判るようにヘビに近い仲間なのですが、四肢を退化させれ

ばヘビそのものの動きになりますね。ペットとして飼育されるミズオオトカゲ

はこれに非常に良く似ていて、サイズが小型でほっそりしているだけです。




Gecko Feet: How Do They Stick to Walls? | National Geographic

2016/08/22 National Geographic

Geckos can get themselves into some precipitous places. What's their secret?

https://youtu.be/uhfXbSSrabw


ヤモリはガラス面でもなんなく登れますが、手足の特殊な細毛構造

が接着力を生んでいます。院長宅周囲にも棲息していて、庭の西側

の資材を積み重ねた付近をねぐらとしている模様です。園芸植物

を無農薬で栽培していますがそれに昆虫があれこれ発生しそれ

を餌として繁殖している様です。




Blue Tongue Skink!

2018/02/09 Brave Wilderness

https://youtu.be/wnwaoL8vbP0


オオサンショウウオの動画に続き再びコヨーテさんの登場です。

院長もアオジタトカゲの液浸標本は持って居るのですが野生状態

の個体と触れ合えるとは最高ですね。カナヘビを太くして四肢を縮

めたような体型です。ペット店でこの手のスキンクは普通に売られ

ている筈です。鱗に独特のぬめり感と光沢があり美しいです。






トカゲの地上ロコモーション




 現生の爬虫類は、有鱗目(トカゲ、ヘビ、ミミズトカゲ)、カメ目、ムカシトカゲ目、ワニ目の4つの仲間から構成されていますが、順にロコモーションを紹介して行きましょう。

 さて、有鱗目のトカゲは、ヤモリ、イグアナ、スキンク(カナヘビ、アオジタトカゲなど)、それとオオトカゲ(ミズオオトカゲ、コモドドラゴンなど)の大きく分けて4つの仲間から成ります。基本的に、いずれも爬虫類の名にふさわしく、胴体を地面からあまり浮かせずに、体幹の側方に突き出した四肢を、体幹の左右へのくねり動作と共に前方に降り出し、手足の爪などで媒体を引っかけ前進する方法のロコモーションスタイルになります。これはヒトが地面上を匍匐前進する時或いはロッククライミングする時(これは垂直方向への一種の匍匐前進動作と言って良いでしょう)にも見られることなのですが、手足をより前方に到達させるために体幹を左右にくねらせてストライド長を稼ぐ動作と言えるでしょう。身体全体としては、媒体表面に対して身体を平坦化し、言わば二次元平面に接近したロコモーションです。






Stages of Crawling (Newbie to Pro in 1 Min)

2011/06/10 Mama Natural

https://youtu.be/f3xWaOkXCSQ

34:00 から軍事教練として教えられる腹這い前進方法を図らずとも工夫で得てい

ます。銃弾の下を潜るときは更に上腕骨を側方に突き出して姿勢を低める必要が

あります。成長過程で徐々に上腕骨を胸郭の下方に配置して腹面を地面から

離すに至る様子は進化を辿っている様にも見えます。



Adam Ondra #73: Ondra Meets Adam / 11 Tips to Help You Start Climbing

2020/07/07 Adam Ondra

https://youtu.be/h-e1oDHZIz4


ボルダリング世界選手権優勝者であるチェコ人のアダム・オンドラ氏

がロッククライミングのコツを教示します。腰を岩に接近させることが

大切と説いています。重力との戦いでもあり、単なる地表面での匍匐

前進とは中身が異なって来ますね。手足の握る能力が必須です

ので爬虫類には不可能です。哺乳類の中でも霊長類のみが可能

とするロコモーションでしょう。






ヒトの匍匐前進との比較




 因みにヒトは胸郭が扁平化し、肩甲骨がその背側に乗る形になりますが、肩関節窩が側方を向いて上腕骨が体幹の側方に突き出すのが本来的な動作になります。この状態で腹這いになり、肘を90度曲げればコモドドラゴンの前肢の配置に類似します。胸郭が扁平化したのは腕渡り(ブラキエーション)への適応形態と考えて良いと思いますが、他の一般的な哺乳類が苦手な匍匐前進が割かし楽に遂行できることになります。実はヒトの赤ん坊が這いつくばいから這い這いの第一歩を始めるのもその様な身体の造りがそれを許容するからです。一般的な哺乳類では這い這いなどせずに、いきなりよろよろと四肢を体幹の下に立てて立ち上がり歩行を開始します。

 ヒトが腹這いが可能だとしても、肩甲骨は自由度が大きく胸郭の上を動いてしまいますので、周囲の筋肉が肩甲骨の位置を保ちつつ動作させることになります。また肩関節窩が側方を向いているところに上腕骨頭が関節することから本来的に体重を支えるには苦しい姿勢です。脱臼を防止する為にはこれまた肩関節周囲の筋肉を動員して関節を固める必要があります。この様な按配で、筋を収縮させる為のエネルギー消費が大きく、ヒトの匍匐前進はすぐに疲れてしまいますね。一方、トカゲでは肩甲骨のワンセット(肩帯)は胸骨をベースとしてしっかりと胸郭に連結しており、また肩関節はヒトの様にボールが狭いお皿に乗る構造ではなく、前後の往復運動に限定された構造になります。この様に、骨の構造が体重の一部を負担してくれることになり、肩甲骨や上腕骨の自由度は格段に落ちますが、前肢操作にあずかる筋のエネルギー消費は上腕骨の前後への往復運動に大きく振り向けることが可能になり、這いつくばり前進に適応的だと言えます。このトカゲの骨の造りに関しては後のコラムで他の動物との比較で解説する予定です。