Ken's Veterinary Clinic Tokyo
相談専門 動物クリニック

                               

























本コラム作成の為の参考サイト:

https://ja.wikipedia.org/wiki/ネズミ


https://en.wikipedia.org/wiki/Dipodidae









https://en.wikipedia.org/wiki/Caviidae

https://ja.wikipedia.org/wiki/テンジクネズミ科


https://ja.wikipedia.org/wiki/カピバラ

https://en.wikipedia.org/wiki/Capybara


https://en.wikipedia.org/wiki/Hydrochoerus

https://en.wikipedia.org/wiki/Lesser_capybara







https://ja.wikipedia.org/wiki/爬虫類

https://en.wikipedia.org/wiki/Reptile



https://ja.wikipedia.org/wiki/有鱗目_(爬虫類)

https://en.wikipedia.org/wiki/Squamata


https://ja.wikipedia.org/wiki/ムカシトカゲ目

https://en.wikipedia.org/wiki/Rhynchocephalia


https://ja.wikipedia.org/wiki/カメ

https://en.wikipedia.org/wiki/Turtle


https://ja.wikipedia.org/wiki/ワニ

https://en.wikipedia.org/wiki/Crocodilia






https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘビ

https://en.wikipedia.org/wiki/Snake




ボアの直進型ロコモーションの機構と運動学

Newman, Steven J., and Bruce C. Jayne. “Crawling without Wiggling: Muscular Mechanisms and Kinematics of Rectilinear Locomotion in Boa Constrictors.” Journal of Experimental Biology, The Company of Biologists Ltd, 15 Feb. 2018, jeb.biologists.org/content/221/4/jeb166199.
https://jeb.biologists.org/content/221/4/jeb166199
全文無料で読めます。



https://ja.wikipedia.org/wiki/ボールニシキヘビ


https://en.wikipedia.org/wiki/Ball_python



https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤスデ

https://en.wikipedia.org/wiki/Millipede



https://ja.wikipedia.org/wiki/有爪動物

https://en.wikipedia.org/wiki/Onychophora









 院長のコラム 2021年2月25日


 ロコモーションの話 ー ヘビの rectilinear locomotion @










ロコモーションの話 ー ヘビの rectilinear locomotion @




2021年2月25日

 KVC Tokyo 院長 藤野 健です。

 カピバラと他の水棲齧歯類との運動特性の比較をこれまで行ってきました。最終的にビーバーの尻尾の扁平化の持つ機能的意義について考察しようと思いますが、その前に途中追加的にロコモーション関連の話をまた〜りと採り上げます。その第18回目です。運動性に関することですので、youtube からの動画資料を多くお借りしての解説です。

 爬虫類についてのお話の14回目です。



以下本コラム作成の為の参考サイト:

https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘビ

https://en.wikipedia.org/wiki/Snake


https://ja.wikipedia.org/wiki/ボールニシキヘビ

https://en.wikipedia.org/wiki/Ball_python


https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤスデ

https://en.wikipedia.org/wiki/Millipede


https://ja.wikipedia.org/wiki/有爪動物

https://en.wikipedia.org/wiki/Onychophora







How do Snakes move? | Explained in Hindi

2020/07/23 Hi Everyone,

Today I would be discussing on one of the most asked question

"How do Snakes Move?"

https://youtu.be/FfGpKGDjls0


5:30から rectilinear locomotion 中のヘビ画像が出ます。この進行方向直線上の

前後の筋の収縮は実は他のヘビのS字歩行中にも確かに発生しています。実際には

一般的なヘビの進み方はS字型と直線型の混合型と考えれば良いでしょう。






rectilinear locomotion 直線型ロコモーションとは




 ヘビのもう一つのロコモーションとしては、 rectilinear locomotion 直線型ロコモーションと言う、身体をまっすぐにしたまま筋収縮の一種の粗密波を体幹の表層に沿って発生させて前進する方法があります。体幹を左右にくねらせること無く、腹鱗を次々と立てて波として送る、要はギャロップ時のウマの前肢後肢の役割を、多数の分節的運動として鱗に行わせる方法です。この方法であれば進行方向の左右幅が自分の身体の幅以上に必要なく、一本のパイプの中もスムーズに進める筈です。2018年に Newman らがこのロコモーションに付いての詳細な機能形態学的解析を行っています。興味の有る方は以下をご参照下さい:


Newman, Steven J., and Bruce C. Jayne. “Crawling without Wiggling:

Muscular Mechanisms and Kinematics of Rectilinear Locomotion in

Boa Constrictors.” Journal of Experimental Biology,

The Company of Biologists Ltd, 15 Feb. 2018,

jeb.biologists.org/content/221/4/jeb166199.


https://jeb.biologists.org/content/221/4/jeb166199 

ここから無料で読めます


 節足動物の多足類の中にヤスデが居ますが、長い体幹の下に配置した多数の各脚(各体節ごとに左右2本ずつ)を遊脚させて前方に送り、媒体に着地してから着地点をアンカーポーイントにして脚を後方に送り前方推進力を得ます。この遊脚の波が体幹の後方から波動として前方に伝わります。また節足動物に近い仲間に有爪(ゆうそう)動物なる聞き慣れない仲間が存在し、カギムシがこれに該当するのですが、長い体幹の下に伸びたイボ脚を利用して波動を起こして前進します。

 直線型ロコモーションのヘビも似た様な神経制御機構で体幹筋に伸縮の波動を送り、浮かせた鱗(遊鱗?)の波が後方から前方へと伝わる様に見えます。まぁ、鱗をヤスデやカギムシの脚の様に地面に接触させて利用している訳です。脊椎骨同士の間の距離を大きくは伸び縮みはさせられない筈ですので、基本は脊椎骨間の距離をほほ保ったまま、体幹の筋肉+肋間の距離を伸ばしたり縮めたりの伸縮波を送りながら進むことになる筈です。これに異なり、ヤスデやカギムシは体幹自体に疎密波は発生させずに、脚のみで前進する動きであることです。ヘビが直線的に滑らかに前進する姿は、機構は全く異なりますが、カタツムリが前進する姿を彷彿とさせ面白いです。






Giant Millipede, The Best Pet Invertebrate?

2020/10/31 Clint's Reptiles

Millipedes, unlike their cousins the centipedes, do not have venom, and

are generally very peaceful little arthropods. But do the giant millipedes

make good pets, and are they the best pet invertebrates for you?

https://youtu.be/ZDHJGEQweHY


遊脚の波が後方から前方へと一定の周期性をもって伝わります。ヤスデの

脚に似た動きをヘビの腹鱗が行っていると考えると直線型ロコモーションが

理解し易いでしょう。ヘビはイヤだが長いものが好きとの方はペットに良い

かもしれません。但し、ヤスデ類の共通点としてストレスを与えると悪臭を

発するところがありますのでご注意を。院長は以前沖縄の西表島でこれに

似たヤスデを見ましたが、全長は7cm程度はありました。




Harvestman vs Velvet Worm | MONSTER BUG WARS

2015/10/20 Monster Bug Wars - Official Channel

https://youtu.be/3DOvo2V8XIY


節足動物に近い仲間に有爪(ゆうそう)動物なる仲間があり、カギムシ

がそれに該当します。イボ状の脚を利用して進みますが、矢張り波動と

して動きが体幹の前後に沿い伝達して行くのが見て取れます。口の横

から粘液を噴射して敵を絡め取るとの高等戦術の使い手です。






 但し、ヘビのこの方法ではS字蛇行型と異なり、水中で推進力を得ることが理論的に期待出来ませんので、これを専ら地上で行うヘビを水中に投げ込んだ時にどの様な反応を示すのか興味深いです。左右に体幹をくねらせた蛇行型ロコモーションに<戻って>泳ぐのかどうかですね。或いはひょっとしてそのまま溺れてしまったり・・・。因みにヤスデとカギムシは地上性が強く、これらの仲間には水中生活者はひとつも見られません。水中ではこのロコモーションのメリットは無さそうで、矢張りヘビ同様地表表面を這うのに特化した体型+ロコモーションと言えそうです。水中ではこの方法では空回りしてしまい、推進力をとても得られそうにはありません・・・。






米国議会 図書館蔵、1797作

https://www.loc.gov/pictures/collection/jpd/item/2008660126/


昔からある竹細工のヘビですが、左右方向にしか身体が曲がりません。

今も神社仏閣の参道の土産物屋などでよく売られています。ヘビがS字

のまま空中に身を乗り出せるのは椎骨の関節構造が体重を支えている

からであり筋肉の力ではありません。






 爬虫類の脊椎骨並びにその周囲の筋の配置は、体幹を左右方向にくねらせる関節機構 (joint mechanism) が基本ですので、脊椎骨を背腹方向に屈伸するシャクトリムシの様なロコモーションが執れずに筋肉のみでの動きとせざるを得なかった可能性もあるでしょう。

 以前、20年程前の話になりますが、付き合いのあったペット店から飼育中のヘビが死んだので学術標本として寄贈したいとの申し出を受けました。貰ったヘビはボールニシキヘビでしたが、これは性質も大人しくペットとして一般的に飼育される種です。死体に触れて驚きましたが、体幹が左右にくねくねとしなる一方、背腹方向には僅かにしか動かせず、脊椎骨の関節構造が左右方向の動きしか許容しない構造となっている事に改めて気が付きました。基本は二次元平面上を這い進む構造と言う訳です。骨格構造からしてS字型の運動に特化していることになりますが、昔から伝わる竹細工のヘビそのものでした。この様な事から、直線型ロコモーションのヘビの椎骨の関節構造がどの様なものなのか、機能形態学的に興味があります。と言うか実物を手にして観察すればすぐに結果は分かりそうですが。