Ken's Veterinary Clinic Tokyo

相談専門 動物クリニック

                               


























https://ja.wikipedia.org/wiki/ネズミ


https://en.wikipedia.org/wiki/Dipodidae







https://en.wikipedia.org/wiki/Caviidae

https://ja.wikipedia.org/wiki/テンジクネズミ科


https://ja.wikipedia.org/wiki/カピバラ

https://en.wikipedia.org/wiki/Capybara


https://en.wikipedia.org/wiki/Hydrochoerus

https://en.wikipedia.org/wiki/Lesser_capybara











院長のコラム 2021年5月15日


 ロコモーションの話 ー カメのロコモーションM








ロコモーションの話 ー カメのロコモーションM




2021年5月15日

 KVC Tokyo 院長 藤野 健です。

 カピバラと他の水棲齧歯類との運動特性の比較をこれまで行ってきました。最終的にビーバーの尻尾の扁平化の持つ機能的意義について考察しようと思いますが、その前に途中追加的にロコモーション関連の話をまた〜りと採り上げます。その第34回目です。運動性に関することですので、youtube からの動画資料を多くお借りしての解説です。

 爬虫類についてのお話の30回目です。引き続きウミガメのロコモーションについて扱います。



以下本コラム作成の為の参考サイト:


https://ja.wikipedia.org/wiki/カメ

https://en.wikipedia.org/wiki/Turtle


https://ja.wikipedia.org/wiki/ウミガメ

https://en.wikipedia.org/wiki/Sea_turtle


https://ja.wikipedia.org/wiki/アカウミガメ

https://en.wikipedia.org/wiki/Loggerhead_sea_turtle


https://ja.wikipedia.org/wiki/アオウミガメ

https://en.wikipedia.org/wiki/Green_sea_turtle


https://ja.wikipedia.org/wiki/オサガメ

https://en.wikipedia.org/wiki/Leatherback_sea_turtle









ウミガメの保護活動A



(前回からの続き)

 一方、産卵に関する保護活動の方は、繁殖に直結することゆえ、種の維持には絶大な効果を発揮します。自然の浜辺の維持が何よりも大切な取り組みですが、産卵行動の周辺にヒトが介在する方法もあります。

 その様な保護活動の実際の事例については、

https://www.nationthailand.com/news/30378468

The Nation Thailand

Joy as leatherback turtle lays eggs on Phang-nga beach,November 18, 2019

Mueang National Park の Thai Mueang Beach でのオサガメの産卵への保護活動について見ていきましょう。


 タイ国のムアン国立公園にあるムアンビーチではオサガメの保護活動が行われています。

「長さ194cm、幅173cmのオサガメが国立公園の敷地から外れたPhang-nga beach に巣を掘り日曜の夕方に産卵し去って行きました。巣の中に海水が入る可能性がある場所であった為、国立公園内の浜の、より標高の高い孵化に好適な場所に卵を移動しました。全104個の内85個が受精卵でした。」

 ほぼ10年間オサガメの産卵が途絶えててのち2年連続で産卵に来て呉れてとても嬉しいと担当者のMongkol は話しています。「前年は、Phang-nga での3箇所に産卵が観察され、最初と3番目はKhukKhak Beach、2番目はThai Mueang Beachでしたが、約95%の卵が孵化しました。最大4回の産卵を行うので、この母ガメが近い場所にまた産卵することを期待しています。国立公園はムアン地区と協力し、毎年11月から1月に産卵に訪れるウミガメ産卵の監視チームを結成する予定です。」と言う。

(院長訳)







Joy as leatherback turtle lays eggs on Phang-nga beach

2019/11/18

The Nation Bangkok https://youtu.be/BZnhyBJHfyo



https://media.nationthailand.com/uploads/images/2019/11/18/640

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産卵したのは国立公園外の浜であり潮を被る可能性があった為、掘り進めて回収します。




https://media.nationthailand.com/uploads/images/2019/11/18/640

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回収したオサガメの卵を国立公園内の好適な浜に埋め直します。前年は近場の3箇所で

オサガメの産卵が見られ、95%の孵化を観察しました。






 卵の発掘と埋め戻しの際には、卵の上下を変えない様に注意する必要があります。保護区域外でヒトの往来がある様な場所に産卵した場合などには、この様な卵の引っ越し作業は良く行われており、本邦でも一般的な行為です。埋め戻した後にそのまま放置し孵化した幼ガメが自然に海に戻るのに任せる場合もあれば、孵化した幼ガメを一定期間育ててから放流する方法もあります。孵化した子ガメは浜を下り海に入り外洋に泳ぎ出すまでのエネルギーしか持ち合わせませんので、孵化個体を集めて予定された日に子供達を集めて放流会を行うと、消耗して外洋に出ることが出来ずに死亡することが判明しており、この様なショー的な活動は実は自然保護に名を借りた偽善であるとの批判も出ています。養育してからの放流に関しては成熟後に再び同じ浜に戻り産卵した例が確認されています。ウミガメは産卵場所が好適でなくなった場合に、新たな浜に産卵する程度の適応性を保持しています。それ故、産卵場所を地磁気で記憶しているのでそれを攪乱する様な人間側の手出しは良くないとの説もありますが、そもそも産卵場所を地磁気で記憶しているとの科学的根拠が明確にされていないこと、また、新たな産卵場所を求める適応性をもっていると考えられる点、から、院長は一定サイズまで養育してから放流する遣り方は特に問題無いと考えて居ます。実際のところ、自然孵化して浜を必死に下りて海に向かう、或いは外洋に到達する途中で、子ガメの殆どが海鳥、大型の魚類等に捕食されてしまいます。1度にオサガメが100個産卵し、1シーズンで3回産卵、つまり300個を産卵しても、成体にまで生き残る個体は1頭にも達しないかもしれません。






https://www.conserveturtles.org/stctrackingmap/?id=248


オサガメの Hope は、フロリダ半島の赤丸地点にて2020年の5月23日に標識されて後、

ニュージャージー沿岸まで北上しそれから南下してカリブ海を南東にまっすぐ進んでからU

ターンして北上を開始しましたが、発信機が脱落して2021年2月6日を最後に辿れなくな

りました。3月29日に奇跡的に Hope が発見されて再び発信機を取り付けられ、昨年に極

く近い場所での産卵の後、現在はフロリダ半島東岸に居ることが判明しています。昨年の

標識開始後に18000kmの旅をしています。1日で 60km程度の移動距離になりますね。





 電波発信機を取り付けたオサガメに纏わる新たなニュースが飛び込んで来ましたのでお報せしましょう。

 STC (Sea Turtle Conservancy ウミガメ保護団体)の web サイトは情報が充実していますのでウミガメ保護に関心をお持ち方は是非アクセスして下さい。




https://www.conserveturtles.org/satellite-tagged-leatherback-turtle-hope-returns-to-nest-in-florida-for-second-consecutive-year-a-first/

STC (Sea Turtle Conservancy ウミガメ保護団体) Sea Turtle Blog

Satellite-Tagged Leatherback Turtle “Hope” Returns to Nest in Florida for SecondConsecutive Year?a First!


April 6, 2021

2021年4月6日


 北はニュージャージーの海岸から南はカリブ海に至る 17000kmの丸い軌跡の旅行の後に、オサガメの Hope は、フロリダのジュピター島に産卵の為に戻りました。これは前回 2020年の 5月の産卵場所から僅か1.5kmしか離れていません。オサガメは通常は2,3年に一度産卵しますので、1個体が連続した年に産卵するのは大変稀なことです。これは2年連続して産卵したオサガメを追跡する機会を研究者が得た初めての事です。


 Hope にはウミガメ保護団体 STC 並びにフロリダオサガメ株式会社が昨年 5月に衛星送信機を取り付けたのですが、これはSTC の毎年のトゥールドタートル(= Tour of Turtle) ウミガメ移動マラソン教育プログラムの一部として行われたものです。衛星送信機は研究者及び一般の方々が Hope の現在地をオンラインで知り移動を追跡することを可能にします。


 「Hope は同一のオサガメが産卵場所からの2度目の追跡を受けたとの信じられない様な機会を与えたカメになりました。」とRTC の生物学研究者であるダニエル・エバンス博士は言いました。「彼女は昨2020年に追跡すべき1匹のカメであると我々は関心を抱き、彼女が以前の軌跡を辿るのか否か興奮と好奇心を持って観測していたのです。」


 Hope は、ひたむきなファンの一団を拡大しましたが、彼らは彼女の現在位置を毎日チェックし、彼女が信じられない様な独特のルートを辿るのを楽しんだのです。


 ほぼ 9ヶ月に亘り位置情報を発信した後、プエルト・リコの 250マイル北付近に居た頃(2021年2月6日が最後)に Hope は位置情報を更新しなくなりました。これは幾つかの理由で起こり得ます。追跡装置が故障したか、完全に脱落したか、或いは信号を送るのを妨げる生物付着物で覆われた事も考えられました。Hope のファン達はいつの日か信号がオンライン地図上に戻ることを望んで腰が落ち着きませんでした。研究者達もまた、彼女が再び送信し始めててくれることを望んでいました。と言うのは彼女の旅程が彼女がまたフロリダに戻りつつあることを示していたからであり、このことは類いまれな記録となると思われたからです。


 Hope からの信号の途絶えたほぼ 2ヶ月が経過しましたが、フロリダオサガメ株式会社の研究者は、3月29日の夜間追跡調査の間に親愛なるカメ、そうですHope !、に出くわし驚きました。彼女の衛星発信機が脱落していたことが分かりましたが、研究者等はカメの手に取り付けた金属製のタグとPITタグ詰まりマイクロチップから彼女を同定出来たのです。そして再び衛生発信機を取り付ける事が出来ましたが非常に稀なる機会を得た訳です。


 「チームが彼女を今年に再び発見した時には我々は信じられないぐらい興奮し、また正直極めてショックを受けました。」と フロリダオサガメ株式会社のケリー・マーティンは言いました。「我々はもの凄くぞくぞくして別の衛生発信機をすぐに取り付けOK準備にさせました。これは、2年続けて産卵を経験した絶滅危惧種のオサガメを追跡出来た最初の機会になりましたし、また普段は容易には追跡できない行動を観察する極めて稀な機会となったからです。」


 2021年4月5日、月曜日附けでは、Hope はフロリダのピアースインレットの凡そ東 30kmの地点の水深 38mのところに居ます。昨年5月に標識されて以降、彼女は 18000km以上を旅行して来ました。一般の方々はHope をwww.trackturtles.com/hope よりオンラインで追跡できます。

(院長訳)




 電波発信機をカメの背甲のてっぺんに取り付けて軌跡を追い求めることを通じて、カメの習性、産卵の実態の詳細を知ることが出来ますが、これは勿論保護活動に生かすことが出来ます。例えば、産卵シーズンに浜辺に接近したらカメが産卵場所を物色し始めたと判断し、追跡を密にして産卵場所を知る事が出来ます。只、この装置の欠点としては最長2年程度で電池切れとなり、それ以上に亘る長期の追跡は出来ません。ウミガメの場合、太陽電池パネルを背甲に貼り付けて発電・充電する手も考えられますが、やり過ぎだと批判を受けるかもしれませんね。それにオサガメの背甲は平らでは無いのでそもそも取り付けが困難かもしれません。

 Hope の例では、2年連続で行われた産卵場所が僅か 1.5km しか離れていないことが判明しましたが、海中からどの様にしてほぼ同じ場所の浜を探り当てるのか不思議ですね。海水の匂いを覚えているのか、或いは実際に地磁気に反応しているのでしょうか?渡り鳥の場合は、地磁気に反応している、星の位置を見ている、景色を覚えているなどの諸説がありますが確定的なものはまだ提出されていない様に思います。元の家に置いてきたイヌやネコが数千キロ離れた引っ越し先に姿を現した事例もそこそこ耳にします。北海道の鮭の遡上をも連想させますが、一種の<帰巣本能>とも言えそうです。動物が持つこの不思議な能力に関しては後日纏めてコラム化する予定です